予防歯科
予防歯科
予防歯科の対象となるのは、虫歯と歯周病です。 虫歯も歯周病も100%予防できる方法はありませんが、 予防歯科を実践することで、80歳で20本の歯を残すことは十分可能です(8020)。 20本という数字は、入れ歯なしで何とか食事が出来るという数字なのです。 予防歯科の目標は、この8020の達成とお考えください。

20本以上歯を有する人の割合は、年々増加し、80歳で20本以上歯を有する人の割合も20%を超えました。

年代別に見た、歯の平均本数です。ご自分の歯と比べてみてください。平均よりも多いですか? 最近の調査では、抜歯の原因の割合は次のようになっています。 ・抜歯の主原因: 歯周病42%、う蝕32%、その他13%、破折11%、矯正1% ・現在歯数との関連: 現在歯数が少ないほど歯周病による抜歯が多く、また患者一人平均抜歯数も多くなる傾 向が認められた。 このように、歯周病と虫歯をどのくらい予防できるか、中でも、歯周病の予防がいかに大切かが分かります。 それでは、虫歯予防と歯周病予防に分けて予防のポイントを御紹介して行きます。
- 虫歯予防のポイント
- ①虫歯菌を減らす
②虫歯菌の栄養源を減らす
③再石灰化を促進する
④虫歯に強い歯にする
それでは、順番にご説明します。
①虫歯菌を減らす
虫歯菌を減らす方法は、大きく3つに分けられます。物理的除去・化学的除去・生物学的除去です。
1)虫歯菌の物理的除去
いわゆるプラークコントロール(歯垢除去)のことです。プラーク(歯垢)は、虫歯菌などの塊であることはご存知と思います。では、プラークはどこに溜まりやすいのでしょう。プラークが溜まるところが虫歯の好発部位であり、 その部位を知って、その除去方法学び、それを実践し続けることが物理的除去のポイントです。
●虫歯菌のプラークはどこに溜まるのか?
1位・・・歯間部のコンタクトポイントの近く(歯と歯が接しているところ)
2位・・・歯の溝(歯をよーく見ると溝があります。特に咬合面。)
3位・・・歯頸部(歯肉との境)
●その部位のプラークの除去方法
〈1〉歯間部のコンタクトポイントの近く・・・とても除去が難しいところです。だからこそ虫歯が多発するところなのです。100%有効な方法はありませんが、つまようじ法、歯間ブラシの使用、フロスの使用、エバチップによるPMTCなどが有効です。当院では、
つまようじ法、歯間ブラシの使用を実地指導しています。また、エバチップによるPMTCを行っています。
つまようじ法はこちらを参照してください
エバチップによるPMTCは、PMTCのところで説明します。
〈2〉歯の溝・・・歯の溝も歯ブラシの毛先が届きにくいところですが、虫歯になって溝が深くなっていなければ、
普通に丁寧に磨くことでほぼ除去できます。歯磨き粉との併用でより効果が上がります。
〈3〉歯頸部・・・バス法を丁寧に行えば、ほほ除去できます。
このように、物理的除去だけでは十分とはいえないことが分かります。特に、歯間部は化学的除去との併用が必要です。
2)虫歯菌の化学的除去
虫歯菌によく効く殺菌剤の使用がこれにあたります。物理的除去との併用で高い効果が期待でき、特に、歯間部や歯の溝のプラーク除去には不可欠です。虫歯菌に有効な殺菌剤としてクロルヘキシジンがあります。当院では、コンクール(クロルヘキシジン含有の洗口剤)と プロスペックペースト(クロルヘキシジン含有の歯磨き粉)の使用を薦めています。

3)虫歯菌の生物学的除去
この方法はまだ有効なものが見つかっていません。歯周病菌に有効な乳酸菌LS1は、虫歯菌に対する殺菌効果は認められませんでしたが、 虫歯菌が作る不溶性グルカンの生成は大幅に抑えられることが確認されています。
②虫歯菌の栄養源を減らす
虫歯菌は、糖を食料に、酸を分泌して、虫歯を作ります。そこで、糖の摂取を上手くコントロールすれば、虫歯の予防につながります。現在2つの有効な方法が確認されています。一つは、糖の摂取回数を減らすことです。摂取する一日の量は同じでも、回数を減らすことで、虫歯予防になるのです。極端に言えば、一回で一日分の糖を摂取すれば、最も効果的なのです。現実的にいえば、チョコレートなどを食べるのに、だらだらと食べ続けるのではなく、おやつの時間を決めておいて、一度食べたら数時間はあけるという摂りかたをすれば効果的といえます。もう一つは、キシリトールを糖の摂取として選択することです。キシリトールも糖なので、虫歯菌が食料として食べるのですが、虫歯菌はこれをもとに酸を分泌できないだけでなく、虫歯菌の栄養にもならず、虫歯菌を消耗させるのです。つまり、極端に言えば、糖としてキシリトールだけを摂っていれば、虫歯にはならないのです。現実にはそれは不可能ですが、生活の一部にでも取り入れれば、それだけの効果は期待できるでしょう。 当院では、キシリトール入りの歯磨き粉(プロスペックペースト)を薦めています。
③再石灰化の促進
虫歯は、虫歯菌による脱灰の量が再石灰化の量を上回ると出来ます。 したがって、再石灰化が促進されると虫歯になりにくくなります。 再石灰化を促進するものとして、当院ではアパガードリナメルの使用を薦めています。 この歯磨き粉は、脱灰した所を再石灰化によって補うことで、虫歯を予防するとともに、 歯の表面が滑らかになることで、虫歯菌の付着を減らします。

④虫歯に強い歯にする
歯の表層はハイドロキシアパタイトで出来ていますが、この物質は酸に溶けやすいという弱点を持っています。 歯にフッ素を取り込ませると、フルオロアパタイトが出来ます。 これは、ハイドロキシアパタイトの一部がフッ素に置き換わったもので、酸に溶けにくい物質です。 したがって、フッ素を歯にしみこませることで、虫歯になりにくい歯を作るというものです。 成人の歯は、簡単にはフルオロアパタイトに置き換わりませんが、多少は効果があるようです。 フッ素入りの歯磨き粉の使用を薦めるのはこのためです。 当院では、フッ素入りの歯磨き粉の他に、PMTCにフッ素塗布を取り入れています。
以上が、虫歯予防のポイントです。当院では、患者様に合った虫歯予防のためのホームケアのご提案と、 PMTCを行っています。お気軽にご相談ください。
- 歯周病予防のポイント
- ①歯周病菌を減らす
②歯肉の活性化
③禁煙
それでは、順番にご説明します。
①歯周病菌を減らす
これにも、大きく3つの方法があります。物理的除去、化学的除去、生物学的除去です。
1)歯周病菌の物理的除去
歯周病菌のプラーク(歯垢)は、歯肉溝の中にあります。歯肉溝とは、歯と歯肉の間にある凹みのことをいい、その深さは、健康なら3ミリ以内です。歯周病になるとこの深さが大きくなり、6ミリ以上になると重症のレベルとなります。重症化しやすいのは、歯間部の歯肉溝で、ここのプラークコントロールが特に重要になります。ブラッシングによって歯周病菌を物理的に除去する場合、歯間部の歯肉溝は、つまようじ法が有効です。また、歯頸部の歯肉溝はバス法が有効です。 この二つのブラッシング法を行うことが、歯周病菌の物理的除去のポイントになります。
2)歯周病菌の化学的除去
歯肉溝が3ミリ以内なら、正しいつまようじ法とバス法だけで歯周病菌を十分減らせるのですが、それ以上の深さになると、化学的除去の併用が必要になります。様々な薬が有効とされていますが、当院では、クロルヘキシジン(コンクール)を薦めています。また、中程度以上の患者さんには、これに加えて、ヒノキチオールを含有するヒノペリオを薦めています。まず、クロルヘキシジン(コンクール)でうがいをし、ブラシをクロルヘキシジンでゆすぎながら、バス法とつまようじ法を行います。 歯周病が中程度以上の方には、さらに、ヒノペリオをつけて同じようにブラッシングしてもらいます。

3)歯周病菌の生物学的除去
最近注目されだした予防法です。乳酸菌LS1を使用します。具体的には、乳酸菌LS1を含有する食品を摂取するだけです。味もまずまずなので、予防法としては最も簡単です。実験では、ひとつのLS1で歯周病菌を100万死滅させるそうです。 臨床ではここまで劇的な効果はないにしても、有効性は証明されています。

②歯肉の活性化
正しいブラッシングによって歯肉は刺激を受け、そのマッサージ効果により、歯肉が活性化され、歯周病に対する抵抗力がつくといわれています。したがって、正しいつまようじ法とバス法を行えば、この効果もあるのです。最近では、リペリオを使用した歯肉のマッサージが注目されています。リペリオを指につけ、ゆっくりと円を描くように歯肉に塗りながらマッサージして行くのです。 当院では、歯肉のマッサージとして採り入れています。患者さんには気持ちが良いと評判です。

③禁煙
効果は確認されています。後は本人の選択です。
以上が、虫歯と歯周病の予防法の概説です。ここで紹介した製品はすべて当院で販売しています。ご希望の患者さんには、有効な方法を実地指導させていただいています。
是非ご利用ください。
最後に、PMTCをご紹介します。
PMTC
PMTCとはプロフェッショナルメディカルツゥースクリーニングのこと、平たく言えば、歯科医院で行う歯の掃除です。なぜ、予防にこのようなオフィスケアーが必要なのかといえば、予防のポイントのところでもご説明したように、歯と歯の間など虫歯や歯周病になりやすいところは、歯ブラシによるブラッシングだけでは十分なプラークコントロールができないからです。また、歯質の強化や再石灰化、歯肉の活性化も、ご自分ではオフィスほど十分に出来ないからです。さらに、オフィスでしていることは、ホームケアをする際の参考になりますので、ホームケアーののレベルアップにもつながります。 では、PMTCのオプッションをいくつかご紹介して行きましょう。
PMTCのオプション
歯間部のコンタクトポイント付近のプラークコントロールと歯質の強化

エバチップという器具を使用して、歯間部のプラーク除去と歯質強化を行っています。
再石灰化と、歯面をつるつるにすることによる虫歯菌の付着防止

プロフィーカップにPMTC用アパガードリナメルをつけて歯面に塗りこんでいるところです。
歯肉溝の歯周病菌の除去と、歯肉のマッサージによる活性化

タフトブラシにヒノペリオをつけて歯肉溝をブラッシングしているところです。
歯肉強化

指にリペリオをつけて、歯肉をマッサージしているところです。気持ちいいですよ。
フッ素による歯質強化

高濃度のフッ素をトレーに盛り、4分間口に含んでもらいます。

当院がPMTCで使用している歯磨き粉です。患者さんごとに必要なものを選んで使用します。 PMTCは40分から1時間かけて、患者さんのケアーしにくいところを、専用の器具を使ってケアーしていきます。 予防歯科は、ホームケアーと、PMTCを主としたオフィスケアーが補完しあって効果を発揮するものです。予防歯科で是非8020を実現し、80歳で健康なお口と体を手に入れてください。
歯に関するお悩み・ご相談はお気軽にお問い合わせください。 TEL 03-5746-6480 ご相談メールフォームはこちらをクリック>
